2018.09.12
【特別講習】「レザン・ドール」手塚卓良先生
9月4日の特別講習。
講師に福岡・西中洲のフレンチレストラン
「レザン・ドール」の手塚卓良シェフをお迎えしました。
「レザン・ドール」といえばミシュランガイドで一つ星を獲得したお店。
オーナーソムリエである石井氏は、
本校の講師として、ワインなど飲み物についての授業を
行ってくださっています。
野菜料理が得意だとおっしゃる手塚シェフ。
料理の世界へのきっかけは
TV番組「料理の鉄人」で見たかっこいいコック服姿の料理人。
調理師専門学校を卒業後、東京のレストランで働き
26歳の時に、当時働いていたシェフの紹介でフランスへ。
「初めは、言葉も通じず頼る人もおらず
逃げたくなることもあったが、
親や支えてくれた人のことを思い出して踏ん張った。
言葉も必死で勉強した。
慣れると楽しくなってきて、結局約4年間フランスにいた。」
ミシュランでひとつ星獲得など、
人気店の料理長として活躍されているシェフですが、
今でも日々反省を繰り返して、探求し続けているとのこと。
プレッシャーで眠れない日もあるが、
若い頃の苦労を思うと頑張れるそうです。
そんな手塚シェフの料理は、とても繊細。
ひとつのお皿に、フワッ、サクッなど
異なる食感をいくつも乗せていきます。
1)カツオのグリエ
付け合わせの野菜ひとつひとつを丁寧に下ごしらえ。
それらをふわっと盛り付けたお皿は、まるでお花のブーケみたい。
2)冬瓜のスープ
日本とフランスでは味覚の好みが全く違い、
フランスで好まれるバターや生クリームなどの動物性脂肪のコクは
日本人には重く感じてしまう。
手塚シェフはフルーツや野菜を組み合わせて
軽めの味を心がけているそうです。
3)マンゴーのシブースト
シブーストとはフランスの伝統菓子で
カスタードとメレンゲを合わせ、表面をキャラメリゼしたもの。
このお皿も盛り付けも華やか!
学生からの質問にも答えてくださいました。
Q)栃木出身のシェフですが、東京、フランスと経験されて
福岡の地域性はどうですか?
せっかちな人が多い気がします。
例えばコースの場合、ギリギリのところまで準備しておくなど工夫して、
料理間はなるべくお待たせしないようにしています。
せっかちだなんて、意外な答えでした。
力強い言葉なのに優しい物腰の手塚シェフに、
学生たちはどんどん引き込まれていきました。
一番大切なのは気持ち。
つらいときや挫けそうなとき時は
我慢して踏ん張っていれば必ず道は拓けると思う。
信じて最後まであきらめずに頑張ってほしい。
基礎があるからこその技術。
過去の経験があるから今がある。
料理人としての心構えを学びました。
学生にはちょっと敷居の高い「レザン・ドール」ですが、
ぜひ一度訪れたいものです。
手塚先生、ありがとうございました!